【解説】資金調達で必要なベンチャーキャピタルの仕組み

みらいチャレンジ ブログ

スタートアップ・ベンチャー企業にとって必須のVC(ベンチャーキャピタル)

スタートアップ・ベンチャーにとっては、事業を成長させるには、必須の存在で、成長過程ではベンチャーキャピタルからの資金調達が必須です。

そこで、今回は、ベンチャーキャピタルの仕組みを解説します。

ベンチャーキャピタル(VC)の仕組み

日本のベンチャーキャピタル(VC)の規模は、年間の投資額で2,000億円~3,000億円程度です。

投融資残高で見ても、1兆円弱といったところで、規模としては、まだまだ微々たるものです。

シード段階やシリーズAといった初期段階で、事業に投資することもあるので、ハイリスクの半面ハイリターンがなければ成り立ちません。

ベンチャーキャピタルとは、スタートアップ・ベンチャー企業の株式を一部取得する代わりに資金を提供する機関です。株式を売却することになるので、経営権にも影響していきます。

ベンチャーキャピタルは、将来上場しそうな会社に対して株価の安いうちに投資して、成長して上場したり、M&Aで売却されたりすれば、大きなキャピタルゲインを得られるといった仕組みです。

経営サイドからいえば、ベンチャー企業はつぶれる可能性も高いので、それは覚悟のうえです。

野球と同じく3割当たれば優れたキャピタリスト。通常は、1~2割ぐらいが当初の仕込み株価の10倍以上で上場するといったホームラン、2~6割ぐらいが仕込み株価の何割か高い値段での売却、残りは倒産ないし「死に体」が実情です。

つまり、1~2割のホームランと3~6割の内野安打で半分以上の損失をカバーして、利益を上げる仕組みです。

ベンチャーキャピタルも営利企業ですので、全体として利益を上げる必要があります。ベンチャーキャピタルにお金を預けている企業や個人投資家もハイリスクということで、20%以上の期待利益を求めます。

そのため、ベンチャーキャピタルは成長の見込みのない企業には見向きもしません。

ベンチャーキャピタルの最近の動向

ベンチャーキャピタルについては、少し前まで、世界的な金余り現象もあり、積極的に投資する姿勢でした。

しかし、景気の減速感が出始め、今回のコロナ騒動で、ベンチャーキャピタルは投資フェーズから回収フェーズに入ったと言われています。

なので、今後は、ベンチャーキャピタル自身が非常に保守的になり、売上が立っていない、利益が上がっていないなどの会社は敬遠されるかもしれません。

経営者の過去の実績、業界の成長性、上場の可能性、リスク項目についても厳しく審査されることになると思います。

会社の業績が悪いと、1株当たりの株式の値段が安くなり、必要な資金調達をするには、大量に株式を渡す必要が出てくるかもしれません。

そうなると、経営権が奪われるという事態が生じかねません。経営者としては、資金調達する場合には、十分に注意しましょう!

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